惜春の会を開催しました

活動報告

オークラアクトシティホテル浜松にて、惜春の会を開催しました。本会は、理工学部の前身である藤原工業大学の創立記念日6月17日に合わせ、その周辺の日曜に毎年開催しています。なんと今年は、その創立記念日当日に開催することができた記念の会でした!

会の内容は、講演会と懇親会の2部構成です。講演会では、慶應義塾大学理工学部長・大学院理工学研究科委員長をなさっている伊藤公平教授がご登壇くださり、理工学部の近況と先生のご専門である量子コンピュータについて講演くださいました。

理工学部は来年80周年を迎えます。記念事業として学生主体のプロジェクトを進めている、というお話を伺いました。具体的には、次の事例が挙げられました。
・競技プログラミングの国際大会であるACM-ICPCへの出場
・医工連携の成果報告セミナーの開催
・電動車いすレースCybathlonへの挑戦
・まむし谷のスポーツ地区理想構想
この中でも、電動車いすレースへの挑戦については、理工学部職員の実験スタッフまで加わるということでした。理工学部に関わる人が分け隔てなく参画して、一人一人が輝くプロジェクトになりそうです。お話を聞くだけでワクワクしてきました。

量子コンピュータについては、基本的な動作原理から最先端のIBM Qネットワークの話までわかりやすくご説明いただきました。IBMは2021年までを量子コンピュータの準備期間と位置づけ、2021年からは事業が発展していく時期だと考えているそうです。また、MicrosoftはC#ならぬQ#という量子コンピュータ用言語を開発しているとのことでした。つい数年前までは実現するかどうかが論点だった量子コンピュータですが、今は何に使うかに注目が移っていることがわかりました。慶應は私学なので、海外の研究所と自由に協力してオープンイノベーションを進めていける立場にいるそうです。IBM Qネットワーク参加を足掛かりに、さらなる活躍を期待しています。

第2部の始まりは、惜春の譜の斉唱から始まりました。幹事の星野君より歌の解説があり、惜春の譜の背景には青春と戦争の狭間にいた若者の葛藤があることを学びました。理工学部創設に際して、先輩方の姿に思いをめぐらせたひと時となりました。

次に、神谷惜春の会会長よりお話があり、「遠州地区のものづくりを再興するきっかけにしていきたい」と本会への思いが述べられました。鈴木東海支部長、斉藤浜松三田会会長からもご挨拶いただき、惜春の会の名付け親である奥寺先輩の掛け声で乾杯となりました。

歓談中も、量子コンピュータについての話が多く交わされました。特に印象的だったのは、講演会では省略していた読み出し方法について、多数の質問が出たことです。講演会で量子コンピュータについてどこまで理解してもらえるか不安だった主催者としては、「むしろそこまで正確に理解してくれていたのか!」と嬉しく感じました。その他、クラウドを介した量子コンピュータと従来型コンピュータとの協調処理、ニューラルネットワークや機会学習との相性の良さについても意見交換がなされました。

会も後半になると、初参加者の自己紹介タイムが始まりました。今回は総勢41名の参加でしたが、そのうち12名が初参加でした。新しい人が来てくれるのは嬉しい限りです。その後、昨年に引き続き有徳みかさんにエレクトーンを演奏いただきました。浜松祭りのラッパへのオリジナルアレンジがかっこ良く、ノリながら楽しむことができました。

会もフィナーレに近づき、若き血の時間です。肩を組み学生時代を思い出しながら歌うと、いつものことながら盛り上がります。閉会にあたっては、田部君から次のような閉会の辞がありました。「量子コンピュータの実現で、量子の世界が日常に入り込んでくる。人類にとって、地球外生命体を発見するくらい歴史的な変化点であるように思う。」
自分たちが科学文化史の中に少しでも入り込めた気がして、高揚感を味わいながらの散会となりました。

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